目標設定ってどうやるの?「ビジネスマナーを身につける」としたら……

(写真=JTierneyMJ/Shutterstock.com)

人事評価において、目標設定は非常に重要なフェーズです。目標設定は個人の成長のためでもありますが、評価する側が社員の成長を把握するための役目も担っています。しかし、毎年目標設定に悩む人も少なくありません。ここでは、正しい目標設定の方法とアピールしやすく評価されやすい目標の考え方についてお伝えします。

そもそも目標設定はなぜ必要なのか?

まずは、目標設定がなぜ必要か?という点について、評価される側と評価を行う側から説明します。

評価される側、つまり目標を設定する側にとっては、「個人の能力アップ」を目的としています。営業の立場であれば、予算の数値は目標の1つとなっているでしょう。工場の生産ラインにいる人にとっては、品質や時間の有効活用などになります。普段の仕事の中で目指すべきものがあることで、成長のスピードが大きく変わるのです。目標を設定することで、達成に向けた様々な工夫を考えるようになりチャレンジ精神が生まれます。

評価を行う側にとっては、目標の達成度合いが明確になることで評価がしやすくなります。「頑張りました」、だけでは会社への貢献があるかどうかは分かりません。目標に向けてのプロセスから結果までを見て、会社への貢献度がどれほどあるのかを把握し、社員を評価するのです。

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適切な目標設定の方法

目標設定を正しい人事評価の材料とするためには、適切な目標設定をしなければなりません。ここでは、「ビジネスマナー」に関する目標を立てる場合の、より良い目標設定方法についてまとめます。目標設定には、上司による承認のステップが必要です。上司は部下が立てた目標が達成されたかどうかの結果を判断する前に、まず目標の内容が適切かどうかを一緒に考える必要があるのです。

「ビジネスマナーを身につける」という目標に対して1年後に「達成できました」だけでは判断もできませんし、本当に本人が成長したかどうか分かりません。上司は、部下がビジネスマナーを身につけるために「何をしなければならないのか」を明確にしてあげなければなりません。例えば、毎日の挨拶を欠かさない、お客様先で正しい振る舞いをする、ビジネスメールを正しく書く、などスコープをある程度絞ってあげることが大切です。また、ビジネスマナーという同じ項目においても、新入社員と中堅社員では目標とすべき内容、難易度も大きく変わってくるでしょう。

範囲が広すぎると、目的が曖昧になってしまい、目標設定の効果が薄れてしまいます。目標を立てる側の社員は、分からない事があれば遠慮なく上司に相談をしてください。上司は、正しい目標になっているのかを指導しなければなりませんし、立てた目標の難易度も考えてあげる必要があります。

人事評価に適した目標設定のコツは「数値化」にあった

目標設定のテクニックの一つに「数値化する」ことがあります。目標設定のゴールを数字で表すのです。先ほどの「ビジネスマナーを身につける」を例にして、目標設定のコツである「数値化」について説明します。

まず、数値化することで目標が明確になります。「ビジネスマナーを身につける」だけだと、目標の内容は曖昧です。ここでは一例として、ビジネス上必要なエクセルのスキルを身に着ける必要がある社員がいたとしましょう。この場合、「エクセルのスキルを身に着ける。そのために、〇〇というテキストを毎日15分実施する」というような内容が考えられます。数値化するだけで、やるべきことが更に明確になったのではないでしょうか。

また、数値化することで途中の進捗を確認することができます。目標設定のサイクルについては、四半期で実施をすることが望ましいでしょう。そして、評価期間の中間地点で正式な振り返り面談をするようにしてください。これらを実施していくことで、部下は現時点での進捗を上司に報告し、目指すべき場所が間違っていた場合は、軌道修正をすることができるようになります。

数値化は、人事評価の基準としても分かりやすくなります。目標設定の評価者は、直属の上司だけとは限りません。役員や人事担当者からすれば、評価する際の基準が分かりやすくなります。また、しっかりと目的を持って実施していることもアピールしやすくなるのです。

正しい目標設定の大切さ

人事評価における目標設定の目的から、方法、コツまでをお伝えしてきました。目標を考えることは簡単ではありません。上司は、部下が目標設定で迷っていた場合は、相談する時間を作り、お互いに話し合うことが大切です。面談の記録を残しておくことは、トラブル防止にも役立ちます。

人事担当者は、評価者である上司によって、目標設定や評価の精度にバラツキが出ていないかを確認してください。全社員の目標設定や評価をチェックするのは困難ですが、このように評価体制をチェックすることで、個人の成長と会社の成長を目的とした目標管理を実現していくことが大切なのです。

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